マン・オブ・スティール

マン・オブ・スティール

大人目線から見れば荒唐無稽なアメコミヒーローを日常世界のリアリティのなかにブチ込んで、そのスーパーパワーぶりを際立たせるのがハリウッド流。日常を描かせてもアクションを描かせても個性的で超絶なザック監督の手腕が、まさにこれでもか〜な状態!
力を持つ者には痛みと責任が伴う、というのがアメコミヒーローの鉄板テーマ。20世紀、国に勢いがあった頃はシンプルなアメリカ流正義でこのテーマを消化したことにできたけど、消化できない今ではヒーローに憂鬱の影を与え、人間的な奥行きを感じさせる源になっている。超人の理念は、憂鬱もあるけど力を持つことを肯定しよう、てことだったと思うけど(ニーチェだっけ?)、その結果として敵との戦闘であちこち破壊しまくりの大迷惑な存在にもなってくる。そんな迷惑存在であることも一身に引き受けて、さらに先を目指すスーパーマンは、ホント「超人」な印象。原アメリカの精髄みたいな地道な農夫に育てられたのも説得力を感じる。青タイツに赤マントの男が背負う象徴性を堀りまくる手腕はさすが。もっとザックの好きなようにやって映像詩みたいにしちゃっても嬉しかったかも知れない。
脇役もラッセル・クロウやケビン・コスナーと豪華。あのおばさんがダイアン・レインだと知ったときは軽く衝撃を受けました。