ヒューゴの不思議な発明

ヒューゴの不思議な発明

舞台は20世紀初頭のパリ。機械に託された文明史的な夢が一転して、第一次大戦という悲惨な結末をもたらす。
映画への夢に破れた者、文字通り戦争で負傷した者、その周囲の人々も大きな夢の破綻のあおりを背負い、多かれ少なかれ心を凍らせている。
雪の舞い積もる駅の時計塔の中では、しかし、時計職人の息子ヒューゴが一人、父の形見の機械人形を修理し続けている。機械や映画を愛した父に近づこうとする少年の胸の内には、父への想いと相混じった機械への希望が灯っている。事実上の孤児である少年にはそれしか道がなかったとも言えるけれど、結果的にはその灯火が周囲の人々の心を、凍てついた積雪の底から救い出していく。
スチームや着色映画、蔵書の山、機械人形のユニークな造形などによって、全体がファンタジックなトーンで覆われていて、その象徴的な世界に耽溺すると吉。