time

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生物学的な死を乗り越えた人類、でもそこで出現したのはユートピアではなく、寿命=時間を通貨とする過酷な競争社会。
腕に刻まれた残高が0になることを恐れ、その日の暮らしに追われる夥しい貧者と、ほぼ永遠の寿命を蓄財するごく一部の超富裕層が現れる。両極となる階層の間は原則的に行き来できるものの、事実上は幾重にも壁が設けられていて、強者が弱者を搾取する構造はほぼ固定化されている。
『モモ』以来の発想を押し進めた設定だけど、かなりリアリティを感じて怖くなった。SF的な時間感覚で言えば肉体的な死はそう遠くないうちに乗り越えられそうな勢いだけど、その時人間の心が今のままだったらこんな世の中になりそうな・・・
もしそうなったらこの作品は封殺されるかも知れないな(^^;

スラムから這い上がりつつ、私利私欲よりも既存の秩序への執着が先立つようになってしまった時間管理官が哀れ。